サンアントニオ・スパーズ(2013-14)
ボールムーブメント,エキストラパス,スモールラインナップ。ヒートに4勝1敗、MVPはカワイ・レナード
前年のファイナルでヒートに第7戦で敗れたスパーズは、2014年に同じ相手と再戦し、4勝1敗で雪辱した。1試合平均14.0点差は当時のファイナル史上最大で、4試合を15点差以上で制している。ファイナルMVPには、レブロンを守りながら平均17.8点、成功率61.2%を記録した22歳のカワイ・レナードが選ばれた。前年の悔しさを晴らす、圧倒的な内容のシリーズだった。
スパーズの象徴は徹底したボールムーブメントだ。良いシュートから「さらに良いシュート」へとパスをつなぐエキストラパスを重ね、ファイナルでの1試合平均パス数はレギュラーシーズンの約330本から355本超に増えた。第3戦からはパスの得意なボリス・ディアウを先発に入れ、ボールの動きがさらに速くなった。この試合では前半のフィールドゴール成功率75.8%というファイナル記録も生まれている。
一人の打開に頼らず、パスで守備を動かし続けて空いた選手を作るという考え方は、後のウォリアーズやラプターズにも影響を与えたとされる。パスの判断が速ければ、守備のローテーションはいずれ間に合わなくなる。個人技に劣るチームでも実践できる、最も再現性の高い攻撃哲学の一つである。パスを受けた瞬間に打つか、ドライブするか、次へ回すかを決める習慣が、この攻撃を支える土台になる。
ここから学べること
- 良いシュートより良いシュートを探す
- パスの速さで守備のローテーションを崩す
- パスの得意な選手の起用で全体が変わる
この実例に出てくる戦術:ボールムーブメント、エキストラパス、モーション・オフェンス
チームデータ
- 大会
- NBAファイナル
- 結果
- ヒートに4勝1敗、MVPはカワイ・レナード
- 監督
- グレッグ・ポポビッチ
- 主な選手
- ティム・ダンカン,トニー・パーカー,マヌ・ジノビリ,カワイ・レナード,ボリス・ディアウ
- 戦術
- ボールムーブメント,エキストラパス,スモールラインナップ
参考にした情報
関連記事
一覧NBAファイナル
ゴールデンステイト・ウォリアーズ(2014-15〜2017-18)
デス・ラインナップ,スプリットアクション,スイッチディフェンス
2015年キャバリアーズに4勝2敗(MVPイグダーラ)、2017年4勝1敗・2018年4勝0敗(MVPはともにデュラント)
NBAファイナル
クリーブランド・キャバリアーズ(2015-16)
ミスマッチ攻撃,アイソレーション,スクリーンによるスイッチ誘発
ウォリアーズに1勝3敗から逆転し4勝3敗、MVPはレブロン・ジェームズ
NBAファイナル
トロント・ラプターズ(2018-19)
ボックス・ワン,トライアングル・ツー,ウォール(壁)ディフェンス
ウォリアーズに4勝2敗、MVPはカワイ・レナード(球団初優勝)